第一三共は25日、麻疹(はしか)、おたふくかぜ、風疹の3種混合ワクチン(MMRワクチン)の製造販売承認について、同日付で厚生労働省に申請したと発表した。3種混合により接種回数が減り、接種を受ける人の負担軽減が期待される。

承認申請したワクチンは弱毒化したウイルスを用いる生ワクチン。すでに日本で定期接種の対象となっている同社のはしか、風疹2種混合ワクチン(MRワクチン)に、広く世界で使われているおたふくかぜワクチン株を混合した。

日本でははしか、風疹の2種混合ワクチンは定期接種で、おたふくかぜワクチンは任意接種となっている。3種混合ワクチンが承認されれば、これまで任意でおたふくかぜワクチンを接種していた場合と比べると、接種回数を2回から1回に減らすことができる。

MMRワクチンは世界では広く普及している。一方、日本では1989年以後、MMRワクチンによる健康被害が起き、93年に定期接種を中止した経緯がある。今回は当時問題となった接種による無菌性髄膜炎の副作用の発症が極めて少ないとされ、世界で広く使われているおたふくかぜワクチン株を混合する。承認されればおよそ30年ぶりに日本でMMRワクチンが接種に使われることになる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC255UL0V20C24A3000000/