「金利ある世界」で募る奨学金返済への不安、負担増に身構える大学生
2024年3月27日 5:45 JST

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-26/SAQB7DT0AFB400

マイナス金利続き利息への意識低下、延滞増加などリスクと専門家
春闘賃上げ率が33年ぶり高水準、返済の負担増は限定的との見方も

沖縄県に住む大学4年生の安部弘祐さんは、日本学生支援機構(JASSO)から給付型と貸与型の奨学金を総額で約680万円借りている。

金利上昇が返済に影響することを取材を受けるまで意識しておらず、「金利について知った以上はなるべく早く返したい」と話す。

  来春卒業予定の安部さんは、奨学金の返済計画を最低でも月3万円とし、余裕があれば6万円にする考えだが、「新卒の手取りは16万から17万が平均と考えると相当厳しい」と語る。

返済の負担を見込み、給与の増加が期待できる企業を中心に就職活動を続けているという。

  安部さんのようにJASSOから有利子奨学金を受けている学生は、2022年度に66万5000人。

同機関の調査では、大学生の2人に1人は何らかの奨学金を利用している。

JASSOの固定金利は過去2年で2倍に上昇し、学生たちは金利方式や繰り上げ返済など返済計画の再検討に動き始めている。

若年層の金銭的負担が増えれば、消費を冷やす要因になり、長期的には将来への不安から少子化を助長する恐れもある。