ドジャース・大谷翔平投手(29)を28日(日本時間29日)、ロサンゼルス・タイムズのディラン・ヘルナンデス記者が直撃し、水原一平元通訳(39)の問題で残る“疑問”をぶつけたという。その時の様子が同紙のコラムで公開された。

 この日、大谷は本拠地開幕戦となるカージナルス戦に「2番・DH」でフル出場し、3打数2安打1四球の活躍を見せたが、試合前にヘルナンデス記者が取材した際は“歓迎ムード”で対応したとしている。

 水原元通訳の解雇騒動を受けて、大谷は25日(同26日)に約11分間の会見を実施した。それでも、ヘルナンデス記者は「答えない疑問が残っている」と問いかけた。すると、大谷は「現時点で言えることは全て言いました」と日本語で回答したようだ。同記者の言う疑問とは「水原氏がどのように大谷の銀行口座にアクセスしたのか、そして何百万ドルもの電信送金をどうして誰も気付かれなかったのか」。大谷は「調査中なので何も言えません」と話し、「この窃盗疑惑を、誰が調査しているのか知っている」と語ったという。カジュアルな口調を保ち、アイコンタクトを絶やさず、緊張した様子も声も出さなかった大谷は一礼して部屋を出ていったとした。

 この日の試合後には大谷を求めてクラブハウスに報道陣50人から100人が殺到。何人かの選手がその混雑ぶりを訴え、イライラしていなかったのは大谷だけだったとヘルナンデス記者は指摘。「疑問が解け、信頼に足る答えが出るまで、この話は彼につきまとうだろう」と締めた。

 水原氏に関しては20日の開幕戦(韓国・ソウル)後に米スポーツ専門局「ESPN」や米紙「ロサンゼルスタイムズ」が違法スポーツ賭博に関与した疑いを報じ、ドジャースが水原氏を解雇。水原氏に少なくとも450万ドル(約6億8000万円)の借金があり、大谷の銀行口座から賭け屋のマシュー・ボウヤー氏サイドに送金されていたことが明らかになっていた。大谷は会見の中で「僕自身は何かに賭けたりとか、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことももちろん全くありません」などと会見で疑惑を一蹴していた。

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