世界で唯一、母船式捕鯨を行っている捕鯨会社「共同船舶」(東京)の新母船「関鯨丸」が完成し、29日、山口県下関市で引き渡しのための調印式が開かれた。5月に出航し、日本の排他的経済水域(EEZ)内で鯨を捕獲する予定だ。

【写真】最後の操業を終え、下関港に入港する捕鯨母船「日新丸」(2023年11月撮影)
 関鯨丸は9299トン、全長113メートル、幅21メートル。連続航海日数60日、航続距離は南極海まで到達可能な1万3000キロ・メートルで、70トン級の大型の鯨を引き揚げる能力を持つ。電気推進式で燃費が良いのが特徴だ。
 この日は同社や建造を請け負った旭洋造船(下関市)、同市の関係者らが出席。同造船の敷地内の岸壁に係留された関鯨丸の操舵室での神事の後、調印式が行われた。
 共同船舶の所英樹社長(69)は取材に「新しい船を造らなければ、捕鯨業という産業がなくなるという危機感があった。うれしいのと同時に、鯨肉の供給責任を果たせるというホッとした思いだ」と語った。

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