――そもそも上坂さんと『キン肉マン』の出会いは?

上坂すみれ(以下、上坂) はじめは学生の頃、昭和のプロレスに興味を持って大好きになりまして、そこをどんどん調べていくと、自然とこの作品にたどりつくようになってるんですよね(笑)。実際のプロレスだと私はタイガー・ジェット・シン選手が特にお気に入りだったんですが、あのインパクトに負けない強烈な個性を持つ超人が『キン肉マン』にはたくさん出てくるので。
 
――上坂さんが、新アニメではミートくん役に。決まったときのお気持ちは?

上坂 まず、オーディションが開催されるというお話を聞いただけで「新しいアニメが始まるんだ!」ってとてもうれしい気持ちになりました。受けるにあたって、さまざまなキャラクターの作画設定資料が送られてきたんですけど、最初はもうそれを見ているだけでただただ大興奮で......たとえ受かっても受からなくても、こんな貴重なものを目にできただけで幸せだと思ってしまうほどに(笑)。
そんな興奮状態のままオーディションに突入していったので、最終的に役をいただけると聞いたときには正直、それまでただのイチファンだったのが、作品に参加させてもらえる立場に変わったことに戸惑いました。

――ある日を境に突然、アニメチームの一員に。

上坂 はい......。でもオーディションを受ける上で、条件欄に「『キン肉マン』が好きな人」というのが確かありまして、少なくともそれなら他の女性声優さんに負けない!という気持ちで臨んだので、もしそこがしっかりと伝わって役をいただけたのだとしたら本当にうれしく思います。とはいえここまできた以上、ただのファンで居続けるわけにもいかないので、そこはしっかり気を引き締めていこうとも思ってます!
 
――ミートくん役というところから離れた質問もさせてください。ファンとしての上坂さんが最も好きな超人をひとり挙げるとしたら誰になりますか?

上坂 私は、もう最初に読んだ頃からウォーズマンが大好きでして。表情が見えないがゆえのかわいさのようなものを私としては感じているんですが、おそらくそういうところじゃないですかね。しかも、苦労人なんですよ。
幼い頃はロボ超人と差別を受けていじめられ、やがて天涯孤独になって、やっと現れた理解者は荒(すさ)んでいた頃のロビンマスクで毎日ムチでしごかれて......。でもその甲斐あって当初のパロ・スペシャルは全く破れる気がしない最強の必殺技でしたし、そもそも散々周りを恐怖に染めてきたベア・クローを失った方が実は強いなんて、ロマンの塊じゃないですか。
しゃべらない無口でクールなキャラなのかと思いきや、のちにしゃべるようになったら、どの発言も異常に素直で優しい善人なんですよ。仲間になる前と後のギャップでいうなら、これまでに登場してきた全超人を含めても未だにいちばん落差が大きいと思います。

――言われてみればギャップ萌えの極みですよね。

上坂 その魅力を語るうえで、私が個人的に最も好きなシーンがありまして、ウォーズマンってよく被害に合うので治療が絶えないんですけど、病院で包帯を巻かれて入院しながらも、仲間の試合中継を見て応援してるシーンがあるんです。だけど、そのベッドで半分布団にもぐってテレビを見ている様子が......もうたまらなくかわいいんですよ。

――キン肉星王位争奪編でのザ・マンリキ戦後、姫路超人病院でテリーマンと一緒に入院しているときの様子ですかね。

上坂 はい、そこです! 大人しくお布団にもぐってて。そのほか時折見せるウォーズマンスマイルにしても、基本怖いんですけど時々口元が緩くなってかわいい瞬間があったり。そんな感じのかわいさと、カッコよさと、アツさと、それに寂しさが同居してて、知れば知るほど好きになれるすごいキャラクターだと思います。超人師弟コンビもカッコいいですし、初登場から40年以上も経過した今に至るまでずっと大好きです。
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/27e6681ce94d91a6a9c24336cb8782707022755b