自衛隊や海保が訓練などで使用 全国16の空港と港を指定
2024年4月1日 15時43分

防衛力の強化に向けて政府は、自衛隊や海上保安庁が訓練などで円滑に使えるように整備・拡充する「特定利用空港・港湾」に、全国の合わせて16の空港と港を指定することを決めました。

有事に備え 全国16の空港と港を「特定利用空港・港湾」に
政府は、有事に備え各地の空港や港を「特定利用空港・港湾」に指定し、自衛隊と海上保安庁の航空機や艦船などが訓練などで円滑に使えるように整備・拡充する方針で、自治体と協議しながら指定先の検討を進めてきました。

そして、1日、関係閣僚会議を持ち回りで開き、調整の整った全国の合わせて16の空港と港を指定することを決めました。

空港は那覇空港など5か所
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指定された空港は▽那覇空港、▽宮崎空港、▽長崎空港、▽福江空港、▽北九州空港の、沖縄と九州の5か所です。

港は石垣港など11か所
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港は▽石垣港、▽博多港、▽高知港、▽須崎港、▽宿毛湾港、▽高松港、▽室蘭港、▽釧路港、▽留萌港、▽苫小牧港、▽石狩湾新港の、沖縄、九州、四国、北海道の11か所です。

政府は、いずれの空港や港も民間利用を主体とすることは維持しつつ、必要に応じて滑走路の延伸や岸壁の拡張などを進める計画です。

また、「特定利用空港・港湾」のさらなる指定に向け、引き続き自治体との調整なども進めていく方針です。

林官房長官「訓練などで利用 国民保護などに資する」
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林官房長官は午後の記者会見で「自衛隊、海上保安庁が訓練などで円滑に公共インフラを利用できるようにすることは国民保護や部隊の展開、災害時の対応などに資するものだ。引き続き自治体などとの調整を丁寧に行い、整備の取り組みを推進していきたい」と述べました。

一方、記者団が「指定されると軍事拠点とみなされ、攻撃目標となるリスクがあるとの指摘もあるが」と質問したのに対し「新たに自衛隊の基地や駐屯地を設置することを目的とするものではなく、自衛隊、海上保安庁はこれまでも民間の空港・港湾を利用してきている。平素の利用に大きな変化はなく、そのことのみで当該施設が攻撃目標とみなされる可能性が高まるとはいえない」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240401/k10014409331000.html