中学受験に向けて小学4年から塾に通い始めた。トップクラスの成績を維持し、04年2月に第1志望だった開成中学に合格した。
入学直後の作文には将来の夢に「理科系の研究者」を挙げ、「役者にも興味がある」とも書いた。管弦楽部やバスケットボール部、ラグビー部に入り、充実した毎日を送った。

中3になったばかりの06年4月2日。亮さんは午後1時50分ごろに自宅を出て、小学校時代の同級生と荒川の土手で花見をした。夕方、みんなで地元の駅近くのファミレスに移動。亮さんは数人と別の公園に寄ったあと、帰宅の途に就いた。

午後8時29分、自宅マンションのエレベーターに亮さんが1人で乗る姿が防犯カメラに映っていた。ただ、自宅のある6階のボタンを押さず、最上階の14階のボタンを押し、その階で降りた。
そして午後8時43分、亮さんの刻んできた時間はそこで止まった。

「飛び降りがありました」。午後9時過ぎ、6階の部屋の呼び鈴が鳴った。富美子さんはその時、自宅でテレビを見ていた。「少年が落ちました。命は助からない状況です」。
警察官に促されるまま、富美子さんは6階の非常階段の踊り場から、あおむけで倒れている息子の姿を見た。そこからの記憶はほとんどない。

警視庁赤羽署が死因を捜査した。当初は「自殺」としたが、その後に根拠が薄いとして、「転落死」に表現を変えた。転落理由は分からないまま、捜査は終了した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/51eaf4c4078bed6d912a19c8b8181dab8a0445e9