2023年にウィリアムズF1のチーム代表に就任したエンジニアのジェームス・ボウルズ氏は、「ウィリアムズF1の内部プロセスはひどいことになっています」と語っています。

The Raceによると、チームのマシン製造プロセス全体が非常に非効率的とのこと。また、たとえマシン設計が適切なスケジュールで実施されても部品管理体制がまとまっていないため実際のマシンを組み立てることができないと指摘されています。実際に2024年のウィリアムズF1では、プレシーズンテスト実施3週間前の2月21日になっても、走行させるためのマシンが一切完成していなかったそうです。

ウィリアムズF1でのずさんなマシン製造プロセスの要因として、海外メディアのThe Driveは「ウィリアムズF1がパーツの在庫をMicrosoft Excelのスプレッドシート上で管理していた」と指摘しました。

ボウルズ氏とウィリアムズF1のテクニカルディレクターのパット・フライ氏は「ウィリアムズF1は、マシンの製造に使用される約2万個のパーツをスプレッドシートで管理していた」「2024年型マシンの初期段階を含め、何年も前からこのようなスプレッドシートに頼ってきた」と述べています。

プロジェクトの規模によってはスプレッドシートでの管理が適切な場合もありますが、年間数百億円単位の経費がかかるF1で用いるのは相当挑戦的といえます。実際にウィリアムズF1では、スプレッドシート内にパーツのコストや製造にかかった時間、部品の数や保管場所を追跡するためのリソースが含まれていなかったがために、マシンの開発スタッフが文書化されていないパーツを探し回った結果、貴重な時間を浪費してしまっていたそうです。

https://gigazine.net/news/20240407-williams-f1-cars-excel/