なぜ「紅麹サプリ」を飲む人がこれほど多かったのか…「サプリの危険性と欺瞞性」に医師が怒りを隠さないワケ

■「膝関節症サプリは効かない」は医師の常識

私は日常診療をおこなう中で、少なくない高齢者がサプリメントをこうした「妙薬」と位置づけ、
すでに使用もしくは今後使用すべきか思案していることを知っている。
そして彼らの口から出てくる言葉を聞くと、そのほぼ全員が、科学的根拠ではなくテレビや新聞の広告を購入の判断材料としていることを知るのである。

例えば変形性膝関節症に悩む高齢者は多いが、整形外科で関節内注射やリハビリ、体操、鎮痛剤といった「正攻法の治療」を受けても、
なかなか症状が改善しないと悩む人もたしかに少なくない。

そのような人が、テレビCMで「飲み始めて効果実感! 階段がスムーズに降りられるようになりました」などというエキストラによる絶賛の声を聞かされれば、
藁(わら)にもすがる気持ちで、けっして安くはない「膝サプリ」の購入を決めてしまっても不思議はなかろう。

しかし残念ながら、これらの高価なサプリメントが「膝関節に及ぼす影響はない」ということは、すでに医学論文では結論が出ている。
これらのサプリメントに含まれているグルコサミンやコンドロイチンを口から多少摂取したところで、
消化管にて分解されてしまい、関節腔内に届いて効果を発揮することはない、というのが医師の間ではもはや常識なのである。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c649341321d0b4bbd0867fe704c08b1d82d89f72?page=2