「異次元緩和」の反動はこれからが本番…1ドル=200円の衝撃に備えよ!「ヤバすぎる円安」が止まらない「残念な理由」
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「異次元金融緩和」のツケ
結局のところ、安倍晋三政権下で始まった日銀の黒田東彦前総裁による「異次元の金融緩和」が円安の要因だ。

「アベノミクスと黒田異次元緩和は、日本経済停滞の原因はデフレにあるとしました。思い切った金融緩和で為替を円安にして物価を上げれば、景気がよくなり、日本経済は復活するというのがその理論でした。

しかし、それは間違っていた。デフレは原因ではなく、結果です。景気が悪いから、物価が上がらなかった。ではなぜ、景気が悪いのかといえば、日本企業の生産性が上がっていないからです。それを放置したまま、為替だけを円安にしても、景気がよくなるはずがない。
むしろ国民の生活は苦しくなるだけです。11年に及ぶ壮大な社会実験の結果、得たことといえば、金融政策だけでは経済をよくすることはできないという教訓だけでした」(加藤氏)

 今回、植田和男総裁は金融政策を転換したが、まだ困難が待ち受ける。

 「『マイナス金利』という看板をおろしただけで、超緩和的な状況はあまり変わっていません。日銀はジレンマに直面しています。金利を急に引き上げていくと、国内で問題が起きる。

 しかし、金利の安定を重視すると円安が進んで、インフレで国民は苦しみます。インフレで預金の実質価値が目減りしていることに気づく人が増えたら、外貨建て金融商品へのシフトが加速して円安はさらに進みやすくなる。『異次元緩和策』と呼ばれた、壮大な社会実験のツケを今後長年にわたり、日本人は払い続けることになるでしょう」(加藤氏)