アメリカ史上最高齢の大統領、ジョー・バイデン氏は現在81歳。11月の大統領選で再選を果たせば退任時に86歳となる。外国首脳の名前や国名を言い間違えて認知能力の衰えが指摘され、最近の支持率は40%で不人気に悩む。

 それでも、このままいけば民主党候補としてドナルド・トランプ前大統領と戦う。大統領選のもう一人の主役、バイデン氏の素顔に迫ると、家族を繰り返し失う悲劇を乗り越えて今日の地位を築いた老練政治家の姿が浮かび上がってくる。

 ▽言い間違い連発、側近は冷や汗

 「ドイツのミッテラン大統領」「メキシコのシシ大統領」「ウクライナに食料や物資を空中投下する」―。

 バイデン氏の言い間違いはもはや日常茶飯事。それぞれ「フランスのマクロン大統領」「エジプトのシシ大統領」「パレスチナ自治区ガザ」のことを話す文脈で間違えた。側近やホワイトハウス職員は冷や汗をかく毎日だ。

 バイデン氏の私邸などで機密文書が見つかった事件では、今年2月、訴追を見送った特別検察官が「記憶力が著しく限られている」と記載した報告書をまとめた。

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