銀行から1.9兆円を詐取、ベトナムの「不動産女王」に死刑判決

4/12(金) 15:49配信
ロイター
https://news.yahoo.co.jp/articles/32b61bf4e0b90d37ce2581d0a77801158e2d620f

ベトナム史上最大の金融詐欺事件で裁判所は12日、大富豪である不動産王の女に死刑判決を言い渡した。

チュオン・ミー・ラン被告は、ベトナム最大の銀行から125億ドル(約1兆9000億円)をだまし取った詐欺に関与したとして有罪判決を受けた。ラン被告は不動産会社バン・ティン・ファットの会長で、長年にわたりベトナム金融界の中心人物であった。

同被告は横領、贈収賄、銀行規則違反などの容疑が持たれていた。裁判は予定より1日早く終わり、ラン被告のほか数十人が詐欺への関与で有罪となった。

この裁判は、共産党のグエン・フー・チョン書記長が、数年にわたって進めてきた「燃えるかまど」として知られる腐敗取り締まりの成果だ。何百人もの政府高官や著名な企業幹部が起訴されたり、辞任に追い込まれている。ただこうした取り締まりにもかかわらず、ベトナムでは汚職が依然として蔓延しており、多くの人が逮捕の背後にある動機を疑問視している。

ラン被告は横領と贈収賄について無罪を主張していた。弁護士は判決を不服として控訴するとロイターに語った。

ベトナムでは死刑のほとんどが凶悪犯罪に適用される。人権団体によれば、ベトナムでは近年、主に毒物の注射によって数百人が処刑されているという。