企業が提供する福利厚生には将来、眼科・歯科治療、退職年金補助金に加え、精神医療を目的とした幻覚剤使用のセラピーが含まれるかもしれない。少数ではあるが既に提供している企業もあり、その数は増えている。

 プレクシス・ヘルスケア・システムズの創設者ホルヘ・ヤント氏は「私自身、幻覚剤を試したことがあり、それがいかに人々の役に立つかが分かった」と話す。同社では最近、企業に福利厚生を提供する新興企業エンシアを通じて、従業員が幻覚剤療法を会社の負担で受けられるようにした。

 MDMAやシロシビン(サイロシビン)などの幻覚剤のほか、ケタミンなどの同様の薬物が、うつ病や不安障害、薬物乱用、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった精神疾患の治療に効果があることを示す研究結果もある。

 ヤント氏は、米国の医療保険制度は薬の処方に重点を置きすぎており、従業員の一部は幻覚剤療法からメリットを得られ、その結果、長期的にコストが削減され、従業員の幸福度と生産性が向上する可能性があると考えている。同氏は社内の処方薬使用に関する報告書(個人は特定できないようにしている)を読んだ後、それに代わる治療法の提供を検討し始めたという。

https://jp.wsj.com/amp/articles/psychedelics-paid-for-by-work-its-coming-363a4773