28日投開票の衆院東京15区補選で、東京都の小池百合子知事が支援した無所属新人の乙武洋匡氏(48)は、午後8時の投票締め切り直後に落選が確実となった。最終的には1万9655票で、当選した酒井菜摘氏(37)に3万票近い差をつけられて、5位に沈んだ。
小池知事にとっては、21日に投開票された東京都目黒区長選に続き、支援した候補が敗れる形となった。今夏の都知事選3選出馬が有力視される中、足場固めを図った小池知事にとっては痛手となった。
◆小池知事「大満足な人材」とアピールも…
28日夜、落選が確実となり厳しい表情であいさつする乙武洋匡氏(布藤哲矢撮影)

28日夜、落選が確実となり厳しい表情であいさつする乙武洋匡氏(布藤哲矢撮影)
「このような結果になり、責任を感じている。申し訳ない」。乙武氏は、事務所で国民民主党幹部や都民ファーストの会の都議らに陳謝した。選挙期間中、何度も街頭演説に駆けつけた小池百合子都知事の姿はなかった。
推薦が取り沙汰された自民党とは一線を画し、無所属で戦ったことには「後悔はない」ときっぱり。しかし選挙戦序盤から、過去の女性問題などで勢いを欠いた。敗因は「このあと数字がそろった後に振り返りたい」と言葉を濁した。
小池知事は選挙戦で、障害がある乙武氏の著書名にちなみ「本人は五体不満足でありますけど、有権者にとって大満足な人材」とアピールしたが、劣勢を巻き返すことはできなかった。
乙武氏は、選挙戦最終日の27日に小池知事から「本当にお疲れさまでした」と声をかけられたという。「一緒に選挙カーに乗ったときには心強く感じた。感謝している」と謝意を示した。今後については「何も考えていない」とだけ述べた。(渡辺真由子)


乙武洋匡氏が5位で落選「責任感じる」 衆院東京15区補選 支援候補が連敗の小池百合子知事、3選に向け痛手
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