それでまあエピソードと言ったらその…、
ある日、突然勇さんが俺の扉を開けて、「ドラゴンボール読みたい?」と俺に質問してきたんですよ。
俺は突然のことにびっくりして唖然としてると、「読みたくないの?」とまたしつこく質問してきたから、
「じゃあ読みたいです。」と俺が言ったら、
「20巻くらいは買ってあるからあとは仁が買ってきてw」と言ったんです。

…恐らくその、2003年くらいの時期に、
夕方にフジテレビでドラゴンボールの再放送がやっていたんですけども、
それきっかけで勇さんはドラゴンボールの単行本を読みたくなって、
だから自分でコツコツ20巻くらいまで集めたんだろうけども、
途中から面倒くさくなって、俺に買いに行かせたんだと思います。

お金はどうしていたのかというと、
たまに静江さんが飲み物代として、1000円札を台所にあるテーブル上に置いていくことがあって、
そのお釣りで単行本を買っていたんです。

だから、俺が学校から帰ってきて、それで台所にあるテーブルの上に1000円札が置いてあるのを見つけると、
俺が飲み物も単行本も買わなくてはいけないので、凄く憂鬱でした。
だって、外に着て行っても恥ずかしくない服なんて、ガチでなかったし。

…まあそれでも俺が買いに行かなければならないので、
小学生の時に着ていた服を着て、嫌々買いに行っていました。

…で、飲み物を買うときは顔をなるべく覚えられないように、
近所に2店舗あるヤックスとトップマートの3つの店をローテーションして買っていました。

単行本も同じ店で買うと顔を覚えられる可能性があるので、
なるべくバラバラの店で買おうと思い近所の本屋に行ってたんですけども、
…その、単行本数巻をレジに持っていった時に、
「今ドラゴンボール再放送してるからw」という店員同士の話し声が聞こえてきて、
もうここでは絶対変えないなと思ったのを覚えています。

ちなみに、ドラゴンボールの単行本は俺が幼稚園生の頃にもあったけども、
でも全巻揃ってなくて、巻数も飛び飛びで1巻~5巻あったら次は10巻で14巻みたいな感じで、
しかもそのコミック自体もボロボロな状態のもあったから、
つまりは、その時に初めて俺はドラゴンボールの単行本を全巻読みました。
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