5月4日 06:27まで全文読める
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15885504.html?ptoken=01HWXK87AG4PW3PSFDCXMPM9KA

天皇の代替わりから、間もなく5年。皇族が減り、皇位継承問題が再び議論となるなか、天皇制を研究してきた原武史さんは「象徴」の意味を問い直すよう訴えてきた。メディアでの発言も多いが、当人いわく、その内容はおおかた無難に編集されてしまうという。ならば、自粛も禁忌(タブー)もなしで論じてもらおう。
(中略)
――世論調査では7割以上が象徴天皇制を支持しています。
 「天皇の地位は主権者である国民の総意に基づく、と憲法に明記されているとおり、そのあり方は私たちが論じて決めていくものです。にもかかわらず、メディアはそのための自由な言論の場になっていない。第一、あの特別な敬称や敬語は何ですか。47年に報道各社が宮内府(当時)と、普通のことばの範囲内で最上の言葉を使うと取り決めたものを、80年近く続けている。上皇退位につながった『おことば』も、第2の人間宣言のように称賛されましたが、国政に権能を有しない天皇が政府や国会を通さず11分間も国民に直接語りかけ、政治が動き立法がなされるというのは、権威どころか、権力の発露です。しかし、それを問う声は主要メディアにはほとんど登場しない」