忍術書「カンチョーは人が死ぬのでNG」 [122319879]
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中島篤巳「〈史料紹介〉忍術伝書『合武伝法急勌齅物見之巻』」『忍者研究5号』(2022年)より
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninja/2022/5/2022_15/_article/-char/ja
一、猿の尾の事
忍びの者の言葉にして、則知死斯(ちしご)の事なり。人の死するは大形〔大方〕知死斯なり。是、乾潮(ひきしお)なり。故に忍び入るには知死斯を嫌う。其の間を考え、忍び入るべし。
知死期
一日十六日、昼九ツ四分・夜同 二日十七日、昼九ツ九分・夜同三日十八日、昼八ツ二分・夜同 四日十九日、昼八ツ六分・夜同 五日二十日、昼七ツ・夜同 六日二十一日、昼七ツ四分・夜同 七日二十二日、昼七ツ八分・夜同 八日二十三日、朝六ツ二分・夜明六ツ二分 九日二十四日、朝六ツ六分・夕同 十日二十五日、朝五ツ・夜同 十一日二十六日、朝夕五ツ四分 十二日二十七日、朝夕五ツ八分 十三日二十八日、昼四ツ二分・夜同 十四日二十九日、昼四ツ六分・夜同 十五晦日、昼九ツ・夜九ツ
以下は自分の付け足し
【試訳】
猿の尾とは、忍者の言葉ですなわち知死期の事である。人が死ぬのは知死期である。これは干潮である。そのため知死斯に忍び込むのは避ける。それ以外の時間になるよう考えて忍び込むべきである。
【以下補足】
旧暦は新月が一か月の始まりにあたり満月が十五日にあたる。当時の時間は九ツが正午にあたるので、満月の場合だと正午が知死期になる。これは一般的に言われている干潮の時刻と重なっている。
これまで散々さも当然のように知死期という言葉が出ているが、この言葉を「デジタル大辞泉」を引くと、
【知死期】陰陽道で、生年月日の干支（えと）や潮の干満などによって知りうるとされている死の時期や時刻。
と出てくる。
さらに「故事俗信ことわざ大辞典」に「満潮のとき人が生まれ、干潮のとき人が死ぬ」という俗信が記載されていることも考えると、当時の忍者は危険な仕事に臨むうえで験担ぎとして、干潮を嫌っていたのだと思われる。 ケツにガスだっけかいたずらして死ぬやつ
昔は凶悪なカンチョーがあったかもしれない ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
