Report this ad また、15日発表の4月米小売売上高(季節調整済み)が予想外に横ばいとなり、米金利が低下したことも米株の上昇につながった。 ただ、4月CPIのデータを詳細に見ると、このままFRBの目標である2%へ向けて上昇率が低下していくとみるのは楽観的に過ぎるようだ。家賃を含む住居費が3カ月連続で0.4%上昇し、ガソリン価格の伸び幅は3月の1.7%から2.8%に拡大した。また、CPIの3カ月前比・年率は4.1%と高止まっており、粘着性の強さを示している。 こうした点を踏まえると、パウエルFRB議長の主導の下で9月と12月に2回の利下げを行ったとしても、足元で市場が織り込んでいる25年中にさらに3回の利下げは、前途の視界が不良ではないかと指摘したい。 米インフレの粘着性の強さがこれから一段と市場に織り込まれていけば、日米金利差の動向に敏感になっているドル/円は、150円を割り込まずに150円台のレンジの中で推移する期間が長期化する可能性が高まっていると筆者はみる。 広告 - スクロール後に記事が続きます
Report this ad <昨年より10円円安、日本経済に起きる変化> 2023年1月から12月のドル/円の平均レートは140.58円だった。もし、筆者の予想が的中して今年夏場から後半にかけて150円台での推移が続いた場合、昨年比で10円超の円安が日本経済の先行きを展望する上での前提となる。 10円超の円安で発生する日本経済の変化は何か。1つは輸出系企業を中心にした業績の上振れであり、輸出系企業の比重が大きい日経平均(.N225), opens new tabは円安の恩恵を受けて上昇が予想される。 一方、円安を起点にした日本のCPI上昇率の加速が予想される。足元で一服してきた輸入物価の上昇が再び活発化し、そこに賃上げを背景にしたサービス価格の上昇も予想され、日銀の想定を超えて物価が上がる可能性が高まるだろう。 株高と物価高が並立しながら展開する日本経済は、果たしてプラス成長を果たすことができるのか、という点に今後の焦点が当たるだろう。その鍵を握るのは個人消費になるのではないか。 広告 - スクロール後に記事が続きます