刺殺された長男Yは、幼少の頃、父親の仕事の都合上で、一家で一時期アメリカで暮らしていた。日本に帰国後、小学校では長男はゲーム好きのごく普通の少年だったと言う。中学・高校は父親の様に、東京大学に進学して欲しい、母親の望みにより、私立中高一貫校の駒場東邦中学校に進学する事となったが、中学時代に揶揄われたり、鉛筆で突き刺されたり、後ろからいきなり背中を蹴飛ばされるなどの、激しいいじめに遭ったという[22]。

中学時代の同級生の友人の話によると長男はクラスで友達と話しをする時、一方的に自分の話をするだけで話が通じない「変な奴」と見られ、彼を嫌って避けられていた為、長男はクラス内で孤立状態であったという。

また中学時代の同級生の友人の話によると長男はテレビゲームやアーケードゲームが大好きで、ゲームがとてもうまく、またゲームに異常に詳しかったと話す。中学在学中は親しい友人もおらず部活にも入らずゲームに熱中していたという。

高校では部活に所属し文化祭や体育祭にも参加するなど、社交的とは言わないまでもまったく孤立していたわけではなかった[23]。

学校ではよくゲームのキャラクターの絵を描いていて絵がうまかったという。また長男は将来、ゲームのキャラクターの絵を描く仕事をしたいとも言っていたという。

長男の母親(父親Xの妻)は資産家の娘で、父親と同じくエリートだった。母親は厳しく長男を父親の様にエリートの道に行かせようと英才教育を施す教育熱心な人で教育ママであったという。長男の成績が悪いと長男のおもちゃなど取り上げて壊すなど厳しかったという。中学生の時に勉強せずにテレビゲームに没頭している長男に母親が怒って、長男の大切にしていたプラモデルを母親が勝手に処分して捨てた事があり、長男がそれにキレて家の中で大暴れした事もあったという。その様な状況の中で中学2年生の頃から母親に暴力を振るうようになったという[12]。

長男はTwitterで母親の事を「愚母」などと罵倒し、学生時代に成績や進学の事など自分は母親にコントロールされていたなどと語っており、テストなど勉強で成績が悪いと大切なプラモデルを壊されたり処分される為、高校まで母親に怯えていたと語っている。学校での成績は優秀な方であったとも言うが、中学に入ってから母親のエリート教育への反発から成績は芳しくなかったとも言われている。勉強は苦手で嫌いであったが、母親に大切なプラモデルを壊されない為だけに、母親が望んだ通りに嫌々勉強やっていただけだと長男は語っている。

また母親とは対照的に長男は父親に対しては尊敬していて、ゲーム仲間に「父親自慢」をしていた。 高校でも両親の望み通りの期待に応えられず成績はあまり良くなかった為、大学受験を失敗している。大学受験の失敗後にゲーム好きから代々木アニメーション学院に入学し、そこでアニメの面白さに目覚めた。高校在学中は文系であったが、日本大学の理工学部土木工学科に進学した。その後に流通経済大学の大学院にも進学し、CGについて学び、2001年に大学院を修了した。

他、長男はゲームやアニメ関係の就職を希望していたがうまくいかず失敗し、見かねた父親の案でコミックマーケットに参加もするもうまくいかなかった。その後一時は父親により長男は病院の関連施設に就職したものの退職し、事件直前は無職であった[8]。事件までは20年以上実家を離れ、母親(父親Xの妻)が所有する東京都内の一軒家に一人暮らしをしていた[8]。精神疾患(統合失調症と診断を受けている。)があって薬物治療を受けており[8]、2008年からは無職となっていた[24]。オンラインゲーム依存になり[8]、SNSにもはまっていたという[25]。2015年に長男は発達障害のアスペルガー症候群であると診断を受けている。また、Kの長女(被害者の妹)は事件の5年ほど前に、引きこもりの兄の存在により縁談が悉く破談となったのを苦にして精神を病み、自宅で命を絶っている。[26][27] また、長男と妹の長女の兄妹仲は 悪かったとされ、妹の長女は引きこもり状態の長男を嫌い、長男も妹に対して嫌悪気味から、Twitterで妹や妹の婚約者の悪口を言いふらしたり邪魔したりしていたと言う。