中居の自宅マンションで被害にあったんだな

 事態と向き合わず、まるで他人事のような対応に終始するフジに対し、諦念すら滲ませた彼女は、溜息混じりに言葉を吐き出した。

「Aさんがセッティングしている会の“延長”だったことは間違いありません」

 A氏を知るテレビ関係者が証言する。

「中居さんら有名タレントが参加する飲み会に女子アナを誘う際、『仕事の関係上、仲良くなった方がいいから』というのが常套句。飲み会では『俺はほとんどの売れないグラビアアイドルとヤッてからキャスティングしてるんだ!』と豪語していた。かつてA氏が手掛けていたバラエティ番組『めちゃイケ』の女性メンバーの名前を挙げ、『俺が育ててやった』としたり顔で話していました」

 事件当時、X子さんと中居は仕事を通じて面識を持ち、それまでに3、4回食事をしていたという。

「最初の会食は、Aさんから誘われて行ったし、その後もそうです。(事件当日は)Aさんはその場にいなかったですけど、何が起きるのか、わかっていたでしょう。でも、何一つ謝罪もない。フジが守ってくれなかったという苛立ちもあります」(同前)

 当時、彼女は複数の仕事仲間に中居からの“被害”を報告していた。X子さんは「事件の内容は一切話せない」と口を噤むが、彼らに取材を重ねると、さらなる事態の深刻さが浮き彫りになった。



 雨が降りしきる2023年6月上旬のことだった。

「あの日、X子は中居さんからA氏を含めた大人数で食事をしようと誘われていました。中居さんと仕事上で面識はありましたが、A氏から紹介され、それまでに何度か食事をしています。彼女にとって中居さんやA氏は仕事上の決定権を握る、いわば力関係が上の立場であり、断れるわけがない。彼女は『行くしかない』と、指定された中居さんの自宅マンションに行ったのです」(X子さんの別の知人)

 直前になって中居から、「今日は大雨でみんな来られなくなってしまったけど、2人でもいい?」と彼女にメッセージが届く。

「急に言われてもドタキャンなんてできない。仕方なくマンションへ行くと、中居さんは、みずから配膳し、上機嫌だったといいます。そこで彼女は『仕組まれた』と、ようやく事態を察した。しかし、時は既に遅し。密室で2人きりになった末、彼女は意に沿わない性的行為を受けてしまった」(同前)

 彼女を苦しめたのは、中居の身勝手な振る舞いだったという。X子さんは旧知の仕事仲間にも地獄の時間を語っている。

 実は、当時X子さんは仕事上繋がりの深いフジの幹部にその日の出来事を仔細に報告している。アナウンス室長(当時)のB氏と、アナウンス室部長だった佐々木恭子アナである。その後、医師を交えて4人で話し合い、彼らから報告を受けたのが、編成制作局長(当時)のC氏だった。