
東大卒でも恐ろしいほどESが通らない…既卒で迎えた就職活動の大誤算「異端でも変人でもないのに…」
日本中の成績優秀な受験生たちが目指す国立大学の最高峰、東京大学。合格すれば、前途洋々の明るい未来が待っているーー受験生たちは、かたく信じて今日も勉学に励んでいるが、そんな時代も今や昔。東大卒を取り巻く社会環境は激変、新卒でも苦戦するケースが往々にしてあるのだ。エッセイストのトイアンナ氏が解説するーー。
東大在学中に内定が取れず半引きこもり状態に
人材不足のなか、東大卒でも内定できない人がいる。ある東大卒の女性が、悩みを告白してくれた。
「納得内定をとりたかった」
と、彼女は語る。
島崎さん(仮名)は、2024年に東大を卒業した。成績は上位だという。周囲は国家公務員総合職として、官公庁の中でもトップクラスの現場で働いている。民間就職をしたゼミの同期は、総合商社や外資系コンサルティングファーム、インフラなど、手堅い有名企業へ内定した。
島崎さんが就活を始めたのは大学3年生の夏。周囲と同じように、夏インターンへ応募した。しかし、島崎さんだけが苦戦していた。
「Webテストや、ES(エントリーシート)は通過するんです。多分1社も落ちてないですね。でもGD(グループディスカッション)や面接は全部落ちました」
その後、学部4年になってからの求人に応募するも、同じく面接で苦境が続く。10社ほど受けても内定が取れないことに傷つき、半ば引きこもり状態に。卒業はできたものの、就活はやり直しとなった。
卒業後は書類すら通過せず
「本当につらいのは、卒業してからです……」
島崎さんは、そう語った。卒業後、一念発起して30社以上の求人に応募したが、書類すら通過しなくなったのだ。島崎さんは、当初想定していた大手メーカーへの応募を諦め、他業界へも応募した。しかし、それでも書類は通らない。
「WebテストとESが強みだったのに、それも通らないんじゃどうしたらいいかなってなってて……。東大生の中でも成績はいい方なので、起業するしかないのかなって考えてます」
と、肩を落とした。ここまでご覧になって、「島崎さんが内定を取れなかったのは、面接やディスカッションのスキルが不足していたからだ」と感じたあなたは、残念ながら古い人間である。
日本は新卒至上主義だ。年功序列がなくなりつつある現在においても、新卒一括採用の文化は根強い。ベンチャーでも「新卒を採用できるようになりました」というと、いっぱしの企業扱いされるくらい、新卒採用イベントは定着している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/47d6576fee4f60d6b2b029eedbf2f029931d3660