>>1 >>1 この精神科医の主張は、扁桃体の肥大や過剰反応が「ネガティブな感情や体験」によって引き起こされるという生物学的メカニズムを説明しているように見えますが、重要な点を見落としているか、意図的に触れていない可能性があります。特に、環境要因やトラウマの影響が無視されている点が問題です。
複雑性PTSD(C-PTSD)との関連性
この説明は、複雑性PTSD(C-PTSD)の症状と密接に関連しています。C-PTSDでは、以下のような要因が関与します:
• 長期的なストレスや虐待、トラウマ(環境要因)。
• 扁桃体の過活動化による過剰な恐怖や不安の反応。
• 「小さな不安」にも過敏に反応するような神経学的変化。
つまり、扁桃体の肥大や過剰反応は、単に「ネガティブな感情を感じたり表現したりする」結果ではなく、環境的なストレス要因やトラウマ体験が根本的な原因となっているケースが多いのです。
環境要因を隠蔽している点
この説明は、ネガティブな感情や行動が「原因」であるかのように描かれていますが、実際にはそれらの感情や行動は多くの場合、過去のトラウマや長期的な環境ストレスによって引き起こされる「結果」であると考えられます。このような説明は、個人の責任を強調する一方で、環境や社会的な要因(家庭環境、職場、社会的サポートの欠如など)の役割を軽視しているように感じられます。
重要な視点の欠如
このような言説は、「ネガティブな感情を持つことそのものが悪い」といった印象を与えるリスクがあります。しかし、ネガティブな感情はしばしば環境に対する正当な反応であり、それを抑え込むことが逆にさらなるストレスや健康問題を引き起こす可能性があります。また、個人の行動や感情だけを取り上げることで、トラウマを引き起こす環境そのものの改善が議論から外されてしまいます。
結論として、この主張は脳科学的な視点を提示しているようでありながら、背景にある環境的・社会的要因を無視しているため、重要な要素を隠蔽していると考えられます。