
https://hitocinema.mainichi.jp/article/yokubari-akaikitsune
ウェブCM赤いきつね「おうちドラマ編」は〝性的〟か 「猥褻」と「性的モノ化」は別問題だ
「ドラマを見ている女性」を見ている視聴者という構図は、彼女がきつねうどんを食べていることにも敷衍(ふえん)できる。つまり「おいしそうにうどんを食べている女性」を視聴者がおいしくいただくというわけである。それが成り立つためには、女性自体がおいしそうでなければならない。涙や湿度の高い空間設計は、女性をおいしそうに見せるための調味料に過ぎない。つゆを滴らせるほどにうるおいをおびて柔らかくなっている揚げは、性的に準備が整っていることを暗示するだろう【図3】。食べることはしばしば性的な比喩として用いられる。相手と性的な関係を持ったことを「食った」とか「いただいた」とか表現するのはその典型である。