巨人入りの田中将大、菅野智之を復活させた名コーチの『魔改造』は今回も成功なるか
キャンプインからマンツーマン指導しているのが、久保康生巡回投手コーチ(66)だ。近鉄、阪神、ソフトバンクなどで数々の好投手を飛躍に導いてきており、巨人では昨季、菅野智之投手(現オリオールズ)を見事に復活させた。
 「投げる形で100点をもらうのではなく、バッターと対戦して勝てる要素を含んだピッチングフォームにしたい」と語り、そのための手腕は多種多彩。マウンドの傾斜とは逆になる上り坂に踏み出して投げたり、細い台の上で足が外れないように投げたり、はたまたボールを2個いっぺんに投げてみたり―。ブルペンでも捕手の距離を近づけたり遠ざけたりと、さまざまな工夫をこらす。
 技術面はもちろんのこと、「リラックスしながら、遊びを入れながら、和みながら」と実績十分のベテランの精神面にも細かく配慮。「2人で仲良くやっているように見せていこう。手を離すなよ」とささやき、報道陣に見せつけるかのように手をつないで歩く場面もあった。
 田中将に限らず他の投手たちも積極的に指導。根底には「プロ野球選手は郷土から送り出されてきた名士たち。そのスターたちを預かっているわけだから、できるだけ地元の人たちが『頑張ったな。よかったな』という選手に仕立てて、良い野球人生を進ませてあげたい」との思いがある。菅野に続く“魔改造”の成功はなるか。大いに注目だ。(巨人担当・小林孝一郎)
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