依頼者が受け取るはずの示談金計約1300万円を渡さなかったなどとして、第一東京弁護士会は23日、岸本学弁護士(51)を除名処分にしたと発表した。除名は弁護士に対する最も重い懲戒処分で、3年間資格を失い、弁護士として活動できなくなる。
同会によると、岸本氏は令和4~5年、盗撮やセクハラ事件など自身が引き受けた10件の示談交渉で、示談金計約1316万円を相手から預かったが、依頼者に渡さなかったという。依頼者などから同会に相談があり、発覚した。
2年12月には、X(旧ツイッター)の実名アカウントで、元草津町議の女性が「町長から性被害を受けた」と訴えた問題について、「草津町を原発廃棄物の最終処分場にでもしてしまえばどうか」など、侮辱的な言葉で投稿して物議を醸したこともあった。
岸本氏が代表を務める東京都港区の「みせばや総合法律事務所」のホームページでは「痴漢・盗撮などの被害者に寄り添う弁護士の事務所です」とうたっていた。