山口未桜 @biliary_egg
消化器内科医です。
潰瘍性大腸炎は、「活動期(悪い時期)」と「寛解期(全く症状がでない時期)」を繰り返す病気です。
基本的には完全に治ることはなく、一見治ったようにみえても、生涯内服や注射が必要になります。
我々消化器内科医は、臨床的寛解(症状が出ないこと)、さらに粘膜的治癒(大腸内にも病変が視認できないこと)を目指して治療をしています。
活動期には下痢、血便等の症状が出て、重症化すると大腸全摘になる場合すらある病気で昔は薬も少なく難治でしたが、
今は多彩な薬が存在し、かなりコントロールができるようになっています。
安部首相が病気を理由に辞任された際は活動期で、しかもかなり悪化していたものと思われます。
ですが、きちんと休み、病院での治療をしっかりと行うことで十分寛解は可能です。
粘膜的治癒も得られるのは治療を進めた場合の一般的な臨床的経過であり、
それだけ(病理医の先生のお墨付きが出るくらい)治療がうまくいっていた、
ということになり、理想的な病勢コントロールができていたものと考えられます。
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