40代「2割」が貯蓄ゼロ…背景と影響は?

都道府県別の貯蓄額ランキングが公表され、1位と最下位では約3.5倍の開きがありました。ただ、格差は地域間だけではなく、世代間でも深刻です。40代の約2割がゼロという推計もあり、今後は老後の資金不足や生活保護の対象増につながる可能性があります。

■地域で差…1位は東京で560万円

有働由美子キャスター
「都道府県別の貯蓄額ランキングに注目したいと思います。ソニー生命が、全国の20〜59歳の男女4700人に対し、『いくらぐらい貯蓄しているか』を聞きました」

「3位は京都府で524万円、2位は滋賀県で531万円、1位は東京都の560万円。一方、最下位は大分県で161万円でした。地域によって大きな差がありますね」

■40代の2割「貯蓄ゼロ」…影響は?

小栗泉・日本テレビ解説委員
「ただ、地域だけではなく世代間の差も大きくなっています。大和総研の推計によると、国内の金融資産の約6割は、60代以上の世帯が保有しているといいます。一方で、貯蓄がゼロという世帯が最も多かったのは40代で、19%。約2割が貯蓄ゼロということです」

有働キャスター
「2割はかなり多い数字ですが、どうしてなのでしょうか?」

小栗委員
「大和総研の藤原研究員によると、特に40代の多くは就職氷河期の世代にあたり、非正規雇用で低い収入で働いている方が多くなっているといいます」

「こうした貯蓄ゼロの状態が続くと、老後の資金が足りなくなったり、生活保護の対象が増えることも招きかねないと、藤原研究員は指摘しています」

■40代の苦境…辻さん「危機的状況」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「人口の1番のボリューム層で、かつ経済の中核を担う40代が今、生活にいっぱいいっぱいになっているのは、かなり危機的状況だと思いました」

「私たち20代からすると、経済が豊かになっていく空気もあまり感じられない一方で、『2000万円貯金』と言われたり、自助努力の空気感がとても強いので、先のことを考えることすら、怖い人が多いのではないかと思います」

有働キャスター
「『うちだって苦しいよ』という方もいらっしゃると思いますが、若い世代が貯蓄ゼロのままだと、日本の景気も少子化も、さらに厳しいことになります。『分厚い中間層』と言っている政府には、効果のある対策をしっかりやっていただきたいです」

(12月22日『news zero』より)
https://www.news24.jp/sp/articles/2021/12/23/07997574.html