「日本は難民認定が少なすぎる」「いや、数の問題ではない。ちゃんと審査をやった結果が少ないだけだ」

難民認定のあり方をめぐり、弁護士や支援団体、法務省など立場の違う関係者の間でよく繰り広げられるやりとりです。

現実の認識は立場によって異なりますが、取り組むべきは、助けを求めて逃れてきた難民が現実に助けられていないという問題です。

日本の認定率は1%未満。世界は?

2020年、日本での難民申請者は3,936人、認定者は47人。

前年2019年は難民申請者は10,375人に対して認定者は44人でした。

各国の置かれた状況は違うため単純比較はできませんが、世界でも類を見ない極めて少ない認定数であることは事実です。

例えば、シリア難民の認定率(2017年)は、ドイツでは38%、アメリカでは82%、オーストラリアでは94%ですが、日本では、2011年から2017年の間で81人が申請したところ、認められた人は15人(19%)に留まっています *2。

本記事では、日本の難民認定はなぜ少ないのかという疑問について、制度面の課題から解説します。

https://www.refugee.or.jp/refugee/japan_recog/
https://www.refugee.or.jp/wp-content/uploads/2021/06/comparison2020_pc-1024x808.png