香港政府は3日、昨年12月19日の立法会(議会)議員選で当選した新議員の就任宣誓式を議場で開催した。議長席の上方にあった香港特別行政区の区章が撤去され、代わりに中国政府の深紅の国章が掲げられた。香港に「高度な自治」を認めた1国2制度が骨抜きとなり、立法会の「中国化」が完成したことを強く印象づけた。
立法会選では民主派を事前に排除する新たな制度が導入され、親中派が「圧勝」した。香港の条例は、立法会議員に対し、政府に忠誠を誓うよう義務づけている。宣誓式に先立ち、新議員たちは中国国歌「義勇軍行進曲」を斉唱。続いて、政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官の前で右手を挙げ、政府に忠誠を誓うと宣言した。
議長席の前には、香港特別行政区の区旗と、それよりも一回り大きい中国国旗が掲げられた。宣誓式では大半の議員が香港で話される広東語を使ったが、一部の議員は中国語(北京語)で宣誓文を読み上げた。
議場の国章について、立法会事務局は香港メディアに対し「暫定的な措置だ」と説明している。【台北・岡村崇】
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