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維新の会 もう一人の政調会長が大暴走…減税の選挙公約実現は大増税が前提だった
国内 社会

2022年01月16日

「大減税ののちに大増税が待っている」と説明すべき
 特に、現在、維新内で議論されているのが「増税」についてだ。

 代表続投が決まった11月27日に松井代表は「国民と約束した公約実現に全力を尽くしたい」として、先の衆院選での維新の公約実現を誓った。

 維新の公約であるマニフェストを見ると、1番最初に掲げられているのが、<大胆な規制改革による成長政略へ 増税ではなく減税へ>だ。他のページにも<大胆な減税によって経済成長を後押し><成長のための税制を目指し、消費税のみならず所得税・法人税を減税する。「フロー大減税」を断行し、簡素で公平な税制を実現します。>と書かれている。

 これまでの維新議員の発言を振り返ってみても「増税の前にすることがある」と「特権的な議員報酬を皮切りに、行政のムダや高齢者に偏った補助金を徹底的に見直すことで財源を捻出する」ことを国民に強く訴えてきた。一有権者である筆者が、通常の解釈をすると、維新が政権を握れば、大減税がなされ、減税による成長戦略がはじまると信じてしまう。

 しかし、足立氏は「維新は減税政党ではない」として、「減税は一時的な景気対策であって、ベーシックインカムの実現で中長期的には増税になる」旨を主張して譲らない。音喜多氏とは別の議員が足立氏の増税議論に異を唱え「ネット減税(一部に増税する部分があっても全体として減税になっている)を訴えないのか」と指摘しても譲らない。

 ベーシックインカムには莫大な財源が必要であり、そのために、足立氏がこれまで主張してきた「金融資産税」が実現されれば、減税どころか31兆円の増税になってしまう。この金融資産税は、「貯金税」とも呼ばれ、個人の貯金や国債などあらゆる資産に1%の課税をするもの。ちなみに31兆円は、消費税15%相当の税収だ。消費税が25%になる規模の増税なのだ。足立氏はこの金融資産税について「所得税を払いながら、人生をかけて貯めてきた小金(こがね)をいまさら課税する」と“たいへん正直な説明”をしている。

 足立氏の意見が通るのであれば、大増税がはじまるということになる。なにより、「増税より減税へ」という選挙公約とのあまりの齟齬は、有権者への冒涜であろう。