歴史的な町並みが残る旧市街に、ところ狭しとテントの店がひしめく青空市場。一見、活気あふれるいつもの光景ですが、ここにも異変が起きていました。
あちこちで値札が貼り替えられた痕跡を見かけるのです。

買い物客に話しかけると悲鳴にも近い声が…。
「毎日のようにすべてが値上がりしていく」

「給料が足りず買い物ができない」

例えば、乳製品は前の月と比べ軒並み5割の値上げ。
店主は「チーズはキロ買いが基本だったのに、今は250グラム単位で買う人もいる」と教えてくれました。

スーパーより安く品物が手に入るこの市場でさえ、モノが買えなくなっているのです。

市場から徒歩5分のパン屋には、行列ができていました。
ここは格安でパンを提供する市営のスタンドです。

長さ30センチ余りのバゲットが1本1.5リラ(=約12円)、通常の半値以下で買えます。

一般の店で買い物する余裕のない人が増えているのです。
「年金だけでは暮らしていけない。いつも腹が空いているけどお金が足りない」
毎日、バゲット2本だけで生活しているという男性はこう訴えました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220117/k10013434461000.html