飽和市場のコンビニに新チェーン 「さくらみくら便利店」勝算は(毎日新聞)
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「24時間365日営業」の利便性で拡大してきたコンビニエンスストアだが、国内には約5万6000店があり、市場は飽和状態とも指摘される。そんな中、群馬のみでチェーン展開する新たなコンビニがある。2021年に誕生した「さくらみくら便利店」だ。なぜ今、「ローカルコンビニ」なのか。

群馬県館林市瀬戸谷町に1月20日、4店舗目となる「さくらみくら便利店 館林瀬戸谷店」がオープンした。木のぬくもりを感じさせる店内は、桜色や水色などを基調としたロゴマークのデザインで装飾され、明るい雰囲気だ。

レジカウンターの横には、店内で調理するできたてホカホカのお弁当が味わえるコーナー「みくら食堂」があった。メニューは「欧風みくら唐揚げカレー」(税込み680円)、「ふっくら香ばしい鰻丼(並盛)」(同650円)など。タッチパネルで注文し、支払いはレジで行う。店内にイートインスペースがあるほか、店外にもテーブルと椅子が設置されていた。

「さくらみくら便利店」は、牛丼チェーン「すき家」や回転ずしチェーン「はま寿司」などを展開する外食大手ゼンショーホールディングス(HD)のグループ会社が運営する。21年6月、みどり市に1号店「笠懸阿左美店」をオープンさせ、伊勢崎市の「伊勢崎境上渕名店」、太田市の「太田下浜田店」を展開してきた。

同HDの広報担当者はコンビニの名称について、「花が咲いたような笑顔という意味の『花笑み』が店舗のコンセプト。お客様にそんな笑顔が広がってほしいという願いから『さくら』にし、『みくら』は『あなたの蔵に』という思いを込めた」と話す。

コンビニ業界は大手3社(セブン―イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン)が売り上げの9割を占める。一時は関東を中心に605店舗を展開した群馬発祥のコンビニチェーン「セーブオン」も18年8月、県内に残った全店舗を一斉閉店した。同HDの広報担当者は大手の寡占化が進む業界に新規参入したことについて、こう説明する。

「外食チェーンの印象があるかもしれないが、弊社は北関東でスーパーマーケットも展開している。『さくらみくら』は小売業態という位置づけ。あくまで実験段階で、今後何店舗に広げるか、どのように展開していくかといったことは何も決まっていない」

スタートしたばかりの新たなコンビニチェーン。群馬の地から全国へと花開くだろうか。【庄司哲也】