オミクロン株は病原性は低いがヒト集団内での増殖速度は高い、東大などが確認
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220204-2265265/

感染48時間後の調査では、オミクロン株に感染した細胞は、従来株(B.1.1系統)やデルタ株に感染した細胞に比べて、合胞体をほとんど形成しないことが示され、従来株やデルタ株よりも、細胞融合活性が低いという結果となった。また、ハムスターを用いた感染実験として、オミクロン株、従来株(B.1.1系統)、デルタ株それぞれを経鼻接種させ、体重および呼吸機能を経時的に測定したところ、オミクロン株は、従来株やデルタ株に比べ、病原性が弱い(体重減少が少なく、呼吸機能の異常の程度も少ない)ことも確認したという。

さらに、世界各国のウイルスゲノム取得情報を基に、ヒト集団内におけるオミクロン株の増殖率の推定を行ったところ、オミクロン株のヒト集団での増殖速度は、デルタ株に比べて2〜5倍高いことが判明したほか、南アフリカ、オーストラリア、デンマーク、ドイツ、イスラエル、英国、米国で取得されたウイルスゲノムメタデータ(ウイルスの株、取得日、場所)を基に、数理モデル解析による推定からは、オミクロン株は従来株やデルタ株よりも病原性が低いことも判明したという。

しかし、仮に弱毒化していたとしても、オミクロン株の感染による有症化・重症化のリスクはゼロではなく、また加速的な流行拡大によって、医療逼迫が起きつつあることから、引き続き感染対策を続けることが肝要と研究チームでは説明している。