福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を、薄めて海に放出する東京電力の計画について、安全性を検証するため、IAEA=国際原子力機関の調査団が来日し、14日から調査が始まりました。

来日したのはIAEAの調査団15人で、14日は都内で関係省庁や東京電力の担当者と意見交換を行いました。

この中でIAEAの担当者は、調査団に中国や韓国など周辺国を含め各国の専門家が参加していることを紹介し「客観的で科学に基づいた検証を透明性のある形で行い貢献したい」と述べました。

福島第一原発で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、国は基準を下回る濃度に薄めたうえで来年春をめどに海への放出を始める方針で、東京電力がこれに従って1キロほど沖合から放出する計画を示しています。

これについて国内では漁業者などから風評被害を懸念する声が根強く、海外では中国や韓国が反発や懸念を表明しています。

IAEAの調査団は15日から福島第一原発を訪れて、海洋放出に向けた準備状況などを視察する予定で、年内に中間報告をまとめたいとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220214/k10013482801000.html
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