インテルとAMDがロシアへの半導体販売を停止―経済制裁はゲーム業界にも影響与える
3/1(火) 2:30配信
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対する経済制裁の一環として行われる輸出規制に関連し、
インテルとAMDがロシアへの半導体販売を停止したことが複数のメディアで報じられました。
また、台湾政府及び台湾の半導体大手・TSMCも同調する動きを見せており、ロシアの国産半導体の供給が阻害されるとの見方も強まっています。
この件については、ロシアの大手メディアRBCも、複数の関係者からの情報として実際に供給が途絶えていることを報じており、
ロシアの電子機器産業関係者で構成されるElectronics Developers and Manufacturers Association(EDMA/ARPE)の担当者も事実であることを認めているということです。
対岸の火事とは言えない状況が目の前に。
今回の規制はアメリカの輸出制限に基づくもので、主に軍事目的のチップや民間と軍事の両方に使用できるチップが対象です。
そのため、AMDのRyzenやIntelのCoreシリーズ等の多くの消費者向けの家庭用製品へのチップの販売の影響は少ないと考えられますが、
海外メディアTom’s Hardwareは、具体的な規制対象製品については供給メーカー各社が判断するため、
規制対象の線引きを明確にするためにロシア向けのすべての半導体販売が一時的に停止する可能性もあり得るとも指摘しています。
ロシアは2014年のクリミア侵攻による国際社会からの制裁以降、潜在的な制裁の可能性に対処するために
自国の半導体生産を促進するとともにチップの備蓄も進めてきました。しかし、Baikal、 MCST、 Yadro、STC Moduleといった
ロシアの半導体メーカーのチップは、前述のTSMCが製造しているため、
TSMCからの輸入が制限されてしまうとロシアの国産チップの供給も絶たれる恐れがあることも同メディアが報じています。
ロシア国内における民生用CPUなどへの影響は不透明ですが、こうした経済制裁だけではなく、
YouTubeの一部チャンネルのマネタイズが禁じられる措置などがとられている一方、
ロシア当局によってFacebookやTwitterの利用制限が行われているとも報じられています。
なお、日本政府もロシアへの追加制裁として、まずは個人や団体に対する日本国内の資産の凍結や、
一部製品の輸出規制などを開始し、27日にはSWIFT(国際銀行間通信協会)からのロシアの締めだしにも合意しました。
日本のゲーマーとは縁遠いことのようにも思えますが、例えばSteamの売上の支払もSWIFTの仕組みを通じて行われており、
今後状況次第ではロシアのデベロッパーがSteamで売上を得られないために配信を停止するといった自体すら起こりかねない状況です。
こうした措置に関連し、サイバーコネクトツーの代表取締役社長である松山洋氏はTwitterで、既に取引銀行へ入金ができず、
ローカライズ企業や翻訳者への支払いができなくなったことを報告。今後もこうした戦争の影響を感じることがさらに増えていくかもしれません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ae292e99c9c8cb3e9d750ce3978782f01ce1a97