「何度もやめようと思った」という芸能活動。常にエンタテインメントの第一線で活躍しているように感じられるが、20年という道のりは山あり谷あり、かなりの険しい道だったという。そんなとき、手を差し伸べてくれる“神”のような存在に出会って踏ん張ることができたという。

 「最初、私はジャッキー・チェンさんの事務所に入ったのですが、すぐに仕事がなくなってクビになったり、オーディションを受けても落ちまくっていたり…。もうやめようかなと思っていたら、偶然ピンチヒッターで起用されたロケで、憧れの漫画家・楳図かずおさんとご一緒して。こんな、地下で生きているどうしようもない私にも神対応をしていただき、『もう一度頑張ろう』と思えたんです。その後も、芸能活動を続けていたら、ジャッキー・チェンさまに会えて、抱きしめてくださったり…。すごく落ち込んでいるときに、神様のような方と出会えて素敵な言葉をいただけることが多く、なんとかここまでやってこられた感じなんです」。

 多彩であるからこそ、毎日違うジャンルの仕事をする日々に不安もあった。「自分はなんの人なんだろう?」という思いは常に心のどこかにあったが、そんなモヤモヤも、人との出会いで「それでいいんだ」と肯定的になれたという。

 「北乃きいちゃんと旅番組でご一緒したことがあったんです。きいちゃんも女優さんとして活躍する一方で、情報番組のMCなどもやっていたじゃないですか。彼女自身、いろいろな葛藤はあったようなのですが、アメリカに留学したとき、向こうの女優さんは歌もバラエティもなんでもやるのを知って、吹っ切れたそうなんです。私に対しても、『いろいろなことをやっている中川さんは素敵です』って言ってくれて。そのときにパッと開けたというか、モヤモヤが晴れました。

 歌についても、曲によって声が変わってしまうので『中川翔子らしさってなんだろう?』と悩んでいたのですが、ヒャダインさんが『中川翔子節がちゃんと出ているから大丈夫だよ。あなたはアニソンのお姉さんとして、子どもたちに歌を伝えているんだから』と言ってもらえて腑に落ちたんです」。https://news.yahoo.co.jp/articles/b36e05322db9f1f4eb86cb4fda5b1911f1987fce