【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領がロシアと対立する隣国ウクライナをめぐり「ロシア人とウクライナ人は一つの民族だ」と訴え、「対話姿勢」を装っている。12日には両国の「歴史的一体性」に関する論文を発表。ウクライナ国内の分断を狙い、欧米を後ろ盾とするゼレンスキー政権を揺さぶる思惑がありそうだ。

 6月30日に行われた国民とのテレビ対話で、対ウクライナ関係について問われたプーチン氏は「ウクライナ国民がわれわれに非友好的とは思わない」と述べ、両国民は「一つの民族だ」と発言。一方で「ウクライナの指導部は非友好的だ」と主張し、欧米の影響下にあるゼレンスキー政権に問題があると持論を展開した。

 さらに「一つの民族」という考えは「信念」であるとして、両民族の結び付きを示すために1000年以上にわたる歴史を振り返る長大な論文を12日にロシア語とウクライナ語で発表。「ウクライナの真の主権はロシアとのパートナーシップによってのみ実現可能と確信している」と結論付けた。
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