冬眠明け注意…人里で熊出没 東日本で負傷者相次ぐ 耕作放棄地に営巣

冬眠明けの熊の目撃情報が、東日本を中心に各地で相次ぐ。3月末には札幌市で、4月中旬には宮城県で人身被害が発生した。
集落周辺にある耕作放棄地にすみ着き、生息域を広げて市街地に迫る。
山菜シーズンを迎え入山者が増える中、行政は音が鳴るものを身に着けたり、複数人で行動したりするなど注意を呼びかける。

農地での遭遇 可能性高まる
環境省によると2020年度、熊による人身被害は全国で143件。
発生場所は、山林が49件で最多。住宅地・市街地が28件、農地が25件と続く。
住宅地・市街地での発生件数は、直近5年間で最多だ。農地で遭遇する可能性も高まっている。

宮城県によると色麻町で17日、市街地から2、3キロ離れた山林で山菜採りをしていた30代男性がツキノワグマに襲われた。
この熊はその場から逃げ、現在も発見されていない。

札幌市では3月31日、ヒグマの巣穴を調査していたNPO法人の職員2人が負傷する事故が起きた。
市によると現場は住宅街から500メートルほど離れた山林。

襲ったのは冬眠していた母熊とみられ、現時点で発見されていない。子熊2頭を守るための行動とみられる。
放置された果樹や生ごみなどに執着する問題個体とみなさず、駆除しない方針だ。
その後、21日に住宅街でヒグマが発見されるなど、市内で10件(22日時点)の目撃情報が寄せられている。
この他、秋田県小坂町で21日、乗用車に熊が衝突。長野県上田市で20日、岩手県紫波町で22日、熊が目撃されている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2d7050aad94b0bab15bafc601e6183fd00cc1f26