https://www.sankei.com/article/20220428-5PPZNHKCW5KQRBRYDGF6U7E5OM/

30年前のタイムカプセル「持ち主名乗り出て」埼玉・川越

埼玉県川越市が、今年の市制施行100周年に向けて約30年前に埋められたタイムカプセルの持ち主を探している。本来なら、当時を懐かしむ品として埋めた人の手に届いているはずだが、約1400個が受け取られないままになっているのだ。参加者の名簿がないことから持ち主を探す手がかりは乏しく、市はホームページなどでの呼び掛けに力を入れている。

タイムカプセルは平成3年、川越青年会議所の呼び掛けで同市のJR川越駅西口に埋められた。市内の小中学生ら約1700人が参加、手紙や写真などをプラスチック容器に入れ、モルタルを吹き付けてそれぞれの手形を添えた。

当初の予定では、市制施行100周年の今年に掘り出すことにしていたが、市が行った駅西口の整備事業に伴って23年に前倒しされ、その際にタイムカプセルの返還イベントを済ませた。ただ、100周年の節目に合わせた大々的なイベントではなかったため、参加者のごく一部しか集まらず、ほとんどのカプセルがそのまま残ることになってしまった。

カプセルの保管期限は今年度末と決まっている。市の担当者は「参加者から名乗り出てもらうしかない。広く呼び掛けて返すことができる分は返していきたい」と話した。