期間限定の御朱印授与と募金で、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナから隣国ポーランドに逃れた難民に救援物資を送る―。そんな取り組みが群馬県の高崎、安中、富岡、下仁田、甘楽の5市町にある計29の曹洞宗寺院で始まった。6月30日まで。

発案者で長学寺(富岡市)住職の生沼善裕さん(45)は「戦争で500万人以上が国外に避難し、苦しい生活を余儀なくされている。寺だからこそできることを考えた」と話す。

御朱印を描いた紙は文庫本サイズで、1枚300円。デザインはウクライナ国旗の青と黄を基調としつつ、内容は寺ごとに異なる。曹洞宗本山の寺紋やお経の一部などが描かれ、全18種類を集めると平和を祈るひとつのお経が完成する。

救援物資は現地からの要望をもとに、同市内で貸衣装店兼写真スタジオを営む高野陽子さん(47)の夫、ポーランド人のアンドリュー・クザイさん(38)が発注。同国の首都、ワルシャワから約200キロ離れたシェラツ郡の職員として働くアンドリューさんの親族を介し、難民に届けられるという。

アンドリューさんは、「ポーランド人とウクライナ人は同一民族。何とかしたい」と語る。高野さんは「ポーランド国内でも大都市には世界中から物資が集まるが、小さな町には届いていない」と述べ、企画への参加を呼びかけている。

生沼住職と曹洞宗寺院に参加を募った永隣寺(同市)の堀口元澄住職(63)は「御朱印を求めて多くのお寺を巡り、ウクライナの方々に思いをはせて平和を願ってほしい」と話した。

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