運用開始からわずか1日…伐採木燃やす施設で不具合 東電福島第一原発

 東京電力は13日、福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)に新設した伐採木を燃やす焼却施設で不具合があり、運転を停止して原因を調べると発表した。施設は11日深夜に運用を始めたばかりで、わずか1日しかたっていない。

 東電によると、13日午前9時、焼却灰の排出口が詰まっていることが確認された。灰を取り出す機器が故障したとみられる。
 施設は「増設雑固体廃棄物焼却設備」と呼ばれ、敷地北側の廃棄物保管エリアにある。汚染水を保管するタンクの敷地確保のために伐採した木や、事故収束作業で出た可燃性のがれきなどの放射性廃棄物を1日最大95トン燃やせる。

 当初、2021年3月からの運用予定だったが、機器の性能確認で不具合が見つかり、開始時期を1年遅らせた。今年3月16日の地震で施設内の壁から複数の防火ボードがはがれ落ちて修理が必要となったため、運用開始がさらに遅れた。

 敷地内には3月末時点で、約14万立方メートルの伐採木が野積みされている。東電は量を減らすために燃やして灰にし、鋼鉄製容器に入れて貯蔵庫で保管する計画。28年度までに屋外保管の解消を目指している。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/177175