摂食障害に苦しむ34歳の妻が性被害を告白…精神科病院で彼女の身に起こった“衝撃的な異変”


妻の話に出てくるようになった「あの男」の存在

 それは、人の心が壊れていく過程を見せられるようだった。

 私が帰宅すると、妻はデスクライトだけをともした暗い部屋にいた。

 目に涙を浮かべ、「衝動的に自殺しそうで怖いから、預かってほしい」。そう言って、手にしたカッターナイフを差し出した。

 妻の話に「あの男」という言葉が出てくるようになった。外に出ると、「歩いている人の顔が、あの男に見える」とおびえた。
しかし、独りで家にいると男が現れそうな気がして、ベランダから飛び降りたくなるという。

 唯一の癒やしだった過食嘔吐も気持ちを静めてくれない。「怖い、怖い、どうしようもなく怖い」と震えた。

 妻が初めて、「精神科か心療内科を受診する」と言った。

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