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北朝鮮ハッカーに機密提供 韓国陸軍大尉を起訴

韓国国防省の検察部が、北朝鮮のハッカーに機密情報を提供したとして、国家保安法違反で現役の陸軍特殊部隊の大尉を4月に逮捕・起訴していたことが分かった。与党議員が27日、入手した起訴状を明らかにした。
起訴状によると、大尉は昨年9月ごろ、大学時代の同級生から北朝鮮の工作機関、軍偵察総局傘下のハッカー「ボリス」を紹介された。ボリスは違法サイバー賭博の運営を通じ韓国の現役軍人らをスパイに仕立て、情報収集する任務を担っていた。
大尉は違法賭博などで金に困っていたことからボリスの要求に応じ、昨年11月から今年3月にかけ、所属していた地域隊の作戦計画など機密情報を提供。ハッキングしようとするボリスの指示を受け、陸軍ホームページのログイン画面の写真や軍の指揮統制システムのコンピューター立ち上げの映像も送った。大尉は代価や激励金などの名目で、計約4800万ウォン(約490万円)相当の仮想通貨を受け取った。
ボリスは「中国に住む朝鮮族ブローカー」と名乗り、通信アプリ「テレグラム」を通じてやりとりしていた。