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東京五輪開幕まで10日 選手村が開村 感染対策で入村式などなし

東京オリンピックの開幕まで10日となる13日、大会期間中の選手や関係者の生活拠点となる選手村が開村しました。新型コロナウイルスの感染対策として入村式などのイベントは行われず滞在期間が限られるため選手たちの姿もないという異例の開村となりました。
東京オリンピック・パラリンピックの期間中選手たちの生活拠点となる東京 中央区晴海の選手村には、最大1万8000人の選手や関係者が宿泊できます。

選手村は、選手たちが国や地域、競技の枠を超えて交流できるオリンピックを象徴する場所の一つですが、東京大会では新型コロナの感染対策として選手などが滞在できる期間が限られていて、オリンピックでは原則、入村できるのは競技開始の5日前からで、競技終了後2日までに退去することになっています。

過去の大会では、開村日には選手団の到着を歓迎する入村式が行われましたが、東京大会ではコロナ対策と簡素化のために式典は一切行われず、13日は日本やカナダなどの関係者が出入りする以外は選手の姿が見られない異例の開村となりました。

大会組織委員会は13日も含めて選手などの入村の状況を明らかにしないとしていて、その理由について「選手村では選手や関係者の内訳についての詳細は把握できない」などと説明しています。

ただ、東京大会の競技は今月21日から始まるため、選手村への選手たちの入村は今週末から順次、進められる見通しです。
選手村での行動ルールとコロナ感染対策
オリンピック・パラリンピックを象徴する場所の一つの選手村ですが、新型コロナの感染対策が取られる東京大会では、選手たちが国や地域、競技の枠を超えて交流するという従来の形からは大きく様変わりしています。

これまで各国の選手団の判断で決まっていた選手村の滞在期間は、東京大会では入村は競技開始の5日前から、退去は競技終了後2日までとなっています。

また、パラリンピックの選手も入村できるのは競技開始の7日前からとなっています。

ただ、組織委員会は時差の調整が必要なケースなどで例外はありうるとしています。

そして選手たちは感染防止のルールを定めた「プレーブック」に沿った対策が選手村の中でも求められます。

選手村に滞在中の選手たちは毎日、採取した唾液による新型コロナの検査を受けることになっています。

選手たちの外出は、競技会場など必要不可欠な場所しか許可されないため、観光地やレストラン、店舗などに自由に出歩くことはできません。

また、選手村に出入りできるのも、運営上必要な人だけに限られます。

さらに、選手村のフィットネスセンターなどでトレーニングする際にはマスクの着用が必要となるほか、メインダイニングホールではほかの人と2メートルの距離を保ち、なるべく1人で食事することなども求められています。

アルコール類の部屋への持ち込みは認められていますが、共有スペースなどで複数の人で集まって飲酒することは禁止されています。
加藤官房長官「アスリートに求める措置を徹底」
加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で、選手村では基本的な感染防止策の周知徹底を図るとした上で「安全、安心を確保するため関係者が連携し、アスリートなどに求める措置を徹底していくことが重要だ。感染拡大への懸念など具体的な指摘があれば、ひとつひとつ対応していきたい」と述べました。