「訴状が届いていないのでコメントできない」って、本当に届いていない? 広報のプロに聞く


役所や企業が損害賠償請求などの民事訴訟を起こされたとき、マスコミから取材されると、
「訴状が届いていないのでコメントできない」とだけ回答するのが定番です。
こう回答する際、訴状は本当に届いていないのでしょうか。
それとも“定番”の回答をしているのでしょうか。仮に届いていないとしても、自分たちの主張もできるのになぜ、口をつぐむのでしょうか。広報コンサルタントの山口明雄さんに聞きました。

訴状の審査後、被告に送達
Q.民事訴訟で訴えられた側が「訴状が届いていないのでコメントできない」と話す場合、
実際に届いていないのでしょうか。それとも、“定番”となった回答をしているのでしょうか。

山口さん「訴えられた側(被告側)がマスコミから、提訴に関するコメントを求められた時点で、訴状を実際に受け取っていることはまずありません。

訴える側(原告側)が、提訴したことを世に知ってもらいたい場合、訴状を裁判所に提出した後、間を置かずに記者発表をすることが多いです。
このタイミングが、ニュースとなる可能性が一番高いからです。

しかし、裁判所は訴状を受け取った後、審査をしてから被告に送達します。被告に届くのは訴状の提出から数週間後です。
マスコミからの取材で、訴訟の事実を初めて知る被告側も少なくないのです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/88dc17a217cd8007dbff28d601b9bbc6dd9cdf09