価格凍結で販売数量は1割アップ
イオンなどの総合スーパー(GMS)や食品スーパー各社は、大手メーカーのナショナルブランド(NB)商品より割安なPBを販売することで集客につなげてきた。
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/22414638/

原材料高に直面する中でも、軒並み値上げしているNBと異なり、PBに関しては各社で判断が分かれている。イオンや西友が価格据え置きを基本路線とする一方で、小売り最大手のセブン&アイ・ホールディングスは4月以降、販売価格への転嫁を順次進めている。

イオンがPB価格を維持したのは、節約志向が強まる消費者を囲い込むことで販売シェア拡大につなげる狙いがある。

トップバリュの販売数量は昨年の価格凍結宣言以降、品目によっては1.5倍程度に伸び、全体でも10%近く増加しているという。同じくPB価格を凍結していた西友も7月から一部商品を値上げする方針だが、価格を据え置く品目のほうが多い。「価格据え置きは、改めて当社のPBに注目していただくきっかけとなった」(西友広報)。

実際、足元で消費者の購買は割安感のあるPBへとシフトしているようだ。

インテージの調査によると、全国のスーパーでの食品販売における2022年5月のPB比率は、メーカーの値上げラッシュが本格化する前の2021年3月と比べ、キャノーラ油で10ポイント、マヨネーズで5ポイント以上それぞれ上昇。NBの値上げ幅が大きい品目ほど、PB志向が高まっている傾向が見て取れる。

メーカーとの直接取引で大量発注するPBは仕入れコストを抑えられるため、小売り側の利益率はNBと比べ相対的に高い。原材料価格上昇の打撃は当然受けるが、イオンでは値上げ回避のため、包装の簡易化や配送方法の効率化などによるコスト削減を積み重ねた。

例えばウィンナーでは包装を変更することで、プラスチックを3割ほど削減し、商品の体積が減ったことで配送効率も上昇したという。