帝国データバンク岐阜支店によると、国内屈指の綿棒メーカーとして知られていた衛生用品製造のサンリツ(下呂市小坂町)は7日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。負債総額は単体で約7億円。

 1963年創業、66年設立。80年代のバブル期にはフィリピンに製造工場を建設し、家庭用や工業用、医療用などさまざまな綿棒のOEM(相手先ブランドによる生産)品を製造。100円均一向けの綿棒製造で販路を拡大した。

 しかし海外工場の生産比率が高まる中で、為替変動リスクを回避するために始めた通貨オプション契約で多額の損失が発生。2011年6月期から13年6月期には最終赤字を計上し、債務超過が続いていた。金融債務が膨らんだほか、安価な中国製品の台頭などで売り上げも大幅に減少。最近の円安進行でさらに収益が悪化し、資金繰りに行き詰まった。

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