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着替え、パニック、切り替え下手――自閉症息子のわがままやこだわり、それって子どものせい?私がみつけた対応策とは

●対応策は「自分で決める」がポイント
一方的に命令されるのは嫌なもの、親から言われるのも同様です。そんなときは選択肢を与えてみるといいと思います。
「あと50数える間、遊ぶ?100数える間、遊ぶ?」
「滑り台3回滑ったら帰る?2回滑ったら帰る?」
服も選んでも問題ないものを何着か用意し、子どもに選ばせてみましょう。

自閉スペクトラム症がある息子にはさまざまなこだわりがありました。

・特定の会社のタクシーにしか乗らない
・NHKの19時のニュースのアナウンサーの「こんばんは、NHKニュースです」と言ったと同時に、夕食の一口目を口にいれないとダメ
・バスでは誰よりも早く降車ボタンを押したい。ほかのお客に先を越されるとパニック
・井の頭線3000系各駅停車しか乗れない

これってあまり定型発達の人には起こらないことなので、わがままではなくこだわりだと私は判断していました。
幼少期、ある教材の世界地図パズルがお気に入りでした。本人の頭のなかでは、たとえば100ピースあったら
1番から100番まではめていく順番がキッチリカッキリと決まっているようでした。

ですから、途中のものが見当たらないと次に進めず、いちいちパニックを起こしました。
あるとき、“南アフリカ共和国”の1ピースがなくなりました。案の定、パズルをひっくり返して暴れました。
パズルの一片がなくなっただけなのに、自傷し手がつけられない状態になりました。
「一つないくらいでワーワー言うんじゃないの!それを飛ばして次に進めばいいじゃない!」と叱りたくなりましたが
そこはグッとこらえて「これは、こだわりなのだ」と自分に言い聞かせました。
パズルのピースはバラ売りしていません。しかたがないので、新しいパズルを買うときは、全く同じものを3セット
買い置きしていました。こうしておくことで予備があるので、仮に1ピースなくしたとしても、あと2ピース同じものがあるので安心でした。
お金は3倍かかりますが「これで息子と私のストレスが減るんだったら、そのほうがましだ」と考えていました。