社会学者を中心とした研究グループである青少年研究会が実施した「都市在住の若者の行動と意識調査」によると、2000年代以降、若年層の友人数は大幅に増えています。前節で指摘したように、関係の流動化にともなう自由度の増大によって、制度的な枠組みにとらわれない関係を築きやすくなったからでしょう。

しかし、制度によって関係が縛られなくなると、今度はその個人差が大きくなります。事実、同調査によると、2000年代以降、友人数の多い者と少ない者との落差は拡大しているのです。

今日では、人間関係の構築時における個人的要因の比重が増したことによって、場を盛り上げる能力に長け、対人関係を器用にこなせる人物と、そういった社交術に疎く、関係構築が苦手な人物との間で、かつて以上に関係格差が広がりやすくなっています。


友人数の多い人ほど自己肯定感が高い
ところが、同調査によれば、友人数が多い者ほど、自己肯定感も高い傾向が見られ、また自分の将来は明るいと考える傾向も強くなっています。

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