在日ミャンマー人の間で評判悪い日本の元国会議員は何をしたのか クーデター起こした国軍幹部と…

在日ミャンマー人らに極めて評判の悪い日本人がいる。国会議員や大手企業が関わる一般社団法人「日本ミャンマー協会」の会長、渡辺秀央元郵政相(88)だ。クーデター後もミャンマーを訪れ、国軍が任命した“閣僚”らと面会し、国軍擁護の発言を繰り返す。日本はクーデターを非難したはずなのに、面会には内閣審議官が同席。国軍の統治にお墨付きを与えるかのようだ。

◆大物政治家も名を連ねる協会
 「海外でデモをやっている人たちのほうが楽をしている」。6月にあった日本ミャンマー協会の理事会。協会の資料によると、渡辺氏は、母国の家族を案じるミャンマー人らの心情を踏みにじる発言をしていた。
 渡辺氏は2010年まで衆参両院の議員を計8期務めた。協会のウェブサイトなどによると、ミャンマーとの縁は、1986年に中曽根康弘内閣で官房副長官になり、要人の来日に対応したのが始まり。88年のクーデター後の軍政期には国軍管区司令官のテインセイン氏と親交を深めた。
 協会はミャンマーが民政移管した2011年、交流推進の目的で設立された。渡辺氏が会長に就任し、中曽根氏(19年死去)を名誉会長、麻生太郎自民党副総裁を最高顧問に据えた。与野党国会議員、中央省庁の元次官らが役員に名を連ね、「アジア最後のフロンティア」での利得を狙う日本企業が入会した。
 渡辺氏は11~16年のテインセイン大統領時代、大規模な経済特区を日本が開発する話を取り付け、存在感を示した。
 21年2月のクーデター直後、パイプ役として注目されたが、実像はあまりに国軍寄りだった。渡辺氏はクーデター後もミャンマーを度々訪れ、ミンアウンフライン総司令官ら要人と面会し、関係を誇示した。
 「憲法に基づいた行為でクーデターではない」。渡辺氏は協会の会合で、国軍の立場を代弁し続けている。総選挙で不正があり、アウンサンスーチー国家顧問らが対応しないので、非常事態を宣言し、国軍が三権を掌握したとの言い分に同調している。また、民主派が国軍に対抗して樹立した挙国一致政府(NUG)について「共産党武闘派の一派」との自説も披露したが、基本認識すら怪しい。

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